講演プログラム
- 12:55-13:00
- はじめに
産総研ナノプロセシング施設運営室 松本 壮平
- 13:00-13:30
- 「ALD-SiO2におけるTDMAS原料の吸着へ下地酸化物が及ぼす影響」
トリス(ジメチルアミド)シラン(TDMAS)原料を用いた原子層堆積法(ALD)によるSiO2成膜が研究されている、我々は、成長速度(GPC)が下地酸化物(Me-O)によって異なる結果を得た。また、GPCがMe-Oの電気陰性度の差と相関関係がある事を見出した。これは、ALDシーケンスのTDMAS原料の吸着で、TDMAS原料のSi原子とMe-OのO原子の吸着での両原子の電荷が大きく関与していると考えている。本セミナーでは、この実験データとモデルを報告します。
物質・材料研究機構 生田目 俊秀
- 13:30-14:00
- 「各種基板表面上へのプリカーサーの吸着選択性の理解」
選択成膜は現在の半導体製造プロセスにおいて重要な技術の一つであり、プリカー サーの選択的吸着が鍵となる。本発表では、実験およびシミュレーションを用い 各種基板表面上へのプリカーサーの吸着選択性の実例を示す。
東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社 林 元輝
- 14:00-14:30
- 「ALD成膜におけるプリカーサーの配位子効果」
半導体の配線や絶縁膜の微細化にALD成膜が実用化されており、数nmの膜厚で均一成膜することが求められています。今回の発表ではALD成膜に使うプリカーサーの配位子効果について紹介します。
株式会社 東ソー 徳留 功一
- 14:30-15:00
- 「In-situ XPSによる、アミノシラン前駆体の吸着分解過程の観察」
アミノシラン前駆体(TDMASi, BDEASi, DIPASi)の基板表面への初期吸着をXPSで比較した。その結果、初期半サイクルにおけるSi被覆量は前駆体間でほぼ同等であり、成長量の差は単純なSi吸着量では説明できないことが分かった。一方で配位子の残存挙動には大きな差があり、TDMASiとBDEASiではN・C含有種が多く残るのに対し、DIPASiではほとんど残存しなかった。前駆体の吸着初期反応は、配位子の除去および再吸着挙動に強く支配されることが示された。
東北大学流体科学研究所 遠藤 和彦
- 15:00-15:20
- 休憩
- 15:20-15:40
- 「産総研NPFのALD実験環境」
産総研ナノプロセシング施設(NPF)では4台のALD装置が稼働しています。
プリカーサー材料の供給ラインは全23系統で、様々な材料を使ったサーマル・プラズマ両方のALD成膜実験が可能です。新しい材料評価のために、材料を持ち込んでの成膜実験も受け付けており、これまでに38種以上のプリカーサーを使用した成膜実績があります。装置の特長として、3台については in-situエリプソによる成膜中の膜厚計測が可能です。また、その内の1台にはXPS装置が真空交換チャンバーを介して接続されており、成膜途中の試料表面を大気暴露させずに分析評価することが可能です。
産総研ナノプロセシング施設運営室 山崎 将嗣
- 15:40-16:10
- 「プリカーサー吸着へのシミュレーション適用」
北海道大学グリーンナノテクノロジー研究センター 松尾 保孝
- 16:10-16:20
- 「放射光X線による半導体成膜過程のin-situ測定」
QSTでは、SPring-8のQST専用ビームラインBL11XUに、放射光X線を用いて半導体成膜過程を in-situ 観察できる表面X線回折計を設置している。我々は本装置を用いて、成膜条件と結晶成長ダイナミクスの相関解明を進めてきた。本セミナーでは、装置の概要とともに、窒化ガリウム成膜中に形成される成長フロントの秩序構造をX線回折により捉えた結果を中心に紹介する。
量子科学技術研究開発機構 佐々木 拓生
- 16:20-16:30
- 「NIMS微細加工共用施設のALD装置紹介」
NIMS 技術開発・共用部門 微細加工ユニット 津谷 大樹
- 16:30-17:00
- 「ALDデータの活用のご紹介〜ARIMデータ共用サービスとAI検索ツールのご案内」
ALDのプロセス開発では、新しいプリカーサーの検討や成膜条件の最適化にあたり、他者の実験データが参考になる場面が多くあります。本セミナーでは、2024年9月に始まったARIM事業の「データ共用サービス」と、産総研のALD装置(FlexAL、サムコ)で取得されたデータを対象としたAI検索ツールについてご紹介します。
現在公開されている359測定のデータには、材料12種類、プリカーサー13種類の成膜条件や膜特性、電気特性、XRDなどの評価データが含まれています。AI検索ツールを使うと、「成膜条件によるアルミナの誘電率データ」「MOSキャップの電気特性」「窒化膜のXRDデータ」といった形で、実験者が普段使う言葉でデータを探し、Excelやレポートの形で受け取ることができます。条件出しの手がかりや、ご自身の実験結果と比較する際の参考として、ご活用いただければと思います。
当日は実際の検索画面をお見せしながら、利用の流れについてもご説明します。
なお、セミナー終了後には、ご希望の方を対象に個別のデモも承ります。「自分が欲しいデータが、実際にどれくらいあるのか」をその場でお調べしますので、普段の研究で気になっているテーマや探したい条件をお持ちいただき、お気軽にお試しください。ALD装置をお使いの研究者・技術者の方、プロセス条件の検討に参考データをお探しの方など、お気軽にご参加ください。
物質・材料研究機構 ARIMセンターハブ 桑田 武