装置の紹介[NPF]

【NPF080】ヘリウムイオン顕微鏡


名称 【NPF080】ヘリウムイオン顕微鏡
メーカー Carl Zeiss
導入年月日
仕様 ヘリウムイオン顕微鏡は冷却されたイオン源尖端の1原子から電界イオン化したヘリウムイオンビームを加速して試料表面へ照射し、発生する二次電子を用いてSEMと同様に二次電子像を得る装置です。単一光源の利点として焦点深度が深く、SEMに比べ二次電子のエネルギーが低いために二次電子の脱出の平均自由工程が1nmと非常に短い(SEM:5~10nm)特長があります。このため、SEMでは得られない極表面形状・構造に敏感な二次電子像を高い材料コントラスト差で得ることが可能です。観察条件では電子に比べヘリウムイオンは試料の内部深くまで入りますので単位体積当たりの試料への負荷エネルギがSEMより3桁以上小さく、熱ダメージに弱い有機材料、バイオ材料(細胞など)などの観察に有利です。また観察時にヘリウムイオン照射で正に帯電した試料表面を電子線照射で中和することできるため絶縁体試料の観察にも有効です。
ヘリウムイオン照射を強くすることにより、グラフェンなど二次元材料の格子欠陥形成による材料物性・機能制御、デバイス試作のための10nm以下のナノ加工なども可能です。ルミネッセンスによる材料評価や電位、温度を制御した状態での評価、加工も可能です。

・型式:ORION Plus
・分解能:0.35nm(エッジコントラスト)
・加速エネルギー:10kV 〜 35kV
・検出器:二次電子、反射イオン、ルミネッセンス
・付属機器:ガスインジェクションシステム(W, Pt)
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